テレビメーター

愛しのコゾーさんはテレビッ子。
テレビが大好きである。
テレビだけじゃない。
映画もYouTubeも大好きである。

とにかく観たい!
テレビが観たい!
YouTubeが観たい!


休みの日なんかは、朝起きるなり「テレビ観て良い?」
スキあらば「テレビ観て良い?」
たまにフェイントで「お菓子食べて良い?」


最近はワル知恵がついてきて…
あたしがゴロゴロウトウトしようものなら「疲れてるみたいだから、そのままもう少し休んでて!」と鬼の居ぬ間に…作戦。


またある時は「録画出来てるかチェックするね~」と、録画一覧なる画面になってたかと思いきや…シレッと再生作戦。


ニューフェイスのタブレットが参上してからは「音楽聞く?」と、曲を選んでいるかと思いきや…ドサクサBGM作戦!


困ったもんだ…
何が良い方法はないか?と考えてみるも…情けないことになにも浮かばす…。




我が家は基本的に「やるべき事」さえやってしまえば、後はフリーダムのスタイル。
平日はさておき、週末なんかは寝る時間も起きる時間もかなりユルい。
そんなグダグダの毎日だけど、やるべき事については、一応もの申し、習慣となるように挑んでいたつもりだった…。
効果の程はさておいて…そんな母の切なる努力!?も『一斉休校』の下見事に崩れた…。



恐ろしくマイペースで鈍いコゾーさん。
当然、すぐにピン!と来るタイプではない(笑)
『一斉休校』の意味をリアルに理解するまでに時間が掛かった。



最後の登校日。
どえらい荷物と共に帰還したコゾーさん。
すっかり人相が変わっていた。
50歳も近いかな~?位に老け込んでいて…ちょっとした小さいオッサンになっていた。


明らかにショックを受け、ヘコんでいる。
勉強は好きではない。
でも学校、学童、児童館は大好き!と言う事は良く分かっていた。
そんなに老け込むほど学校が好きだったのかい!?と少し驚いた。


散々、新型コロナや休校についての説明を受けたのだろう。頭では理解できていても、気持ちがついていかない…
小1男子の心はとッ散らかってしまったようだ。


いやはや…そこまでとは…
不覚にも母の予想を越えていた。

目の前では、ランドセルを背負ったままの小さいオッサンが、虚ろな眼差しで荷物との格闘を繰り広げている…
ツッコミどころ満載なのにとても、チャチャを入れられる空気ではない。


ただでも口下手なコゾーさん。
めっきり老け込んだ憂い顔で、ランドセル背負ったまま何やら必死に話し始めた…

まぁ待てよ、オッサン。
先ずはちょいと落ち着こうじゃないか。

ランドセルを置いて手を洗わせた。

半分ばかし何を言ってるのか?母にはさっぱり分からなかったけど、「彼なりに頭と気持ちのの整理しているのだろう…」と、母は恐ろしい程の空腹とツッコミたい衝動と戦いながらも、老け込む程にとッ散らかった小1男子の話を聞き続けた。


そして一頻り話終えると泣いた。


大きく感情を吐き出したからか?
そのあとは、幾分落ち着いていた。


けれども、そこから数日は不安定だった。
唐突に、コロナについての説明を始めたり、テレビを観て笑っていたかと思ったら涙ぐんだり…
やおら大キライな通年課題の日記を弱々しい字で書き始めたのには、かーちゃん驚いた。
何やら担任にもの申したかったらしい…。


本人なりに気持ちを整理していたのだろう。
その間は、なにも言わず好きにさせていた。


日がたつにつれ、少しずつ若返ってきた。
実年齢の風貌を取り戻した頃から、今度は勘違いが始まった。


コゾーさんよ~。
何かを大きく勘違いしていないかい?
休校の衝撃はキレイに消化できたみたいだね~。
このザンネン具合は回復の証ってヤツじゃぁないかい?



ンフ~ンと鼻息が荒くなって来ているあたしがいる。


母よ。まぁ、落ち着け。

まずは、いつもの調子に戻そうではないか…。
恐らく数ヵ月は続くであろう休校を見越し、休校バージョンにて軌道修正を開始した。


形だけの進級を終えた直後、緊急事態宣言が発令された。そして項を奏していた休校バージョンも陰りを見せ始めた…。



タブレットである。
あのニューフェイスに首ったけ。
画面の中に入らんばかりの心酔ぶりだ。


確実にヤツはやらかし始めている。
懲りないヤツだ。
学習能力ゼロである。


相手はホヤホヤの小2男子。
そんなもんだろうと分かってはいる。
分かっちゃいるけど…である。



何度言っても、何を言ってもムダである。
正面から怒ってもこっちが疲れるだけだ…。


だって好きなんだもの。
好きなものは仕方がない…。

その気持ちはね~。
かーちゃん分かるよぉ~。


ただね~。観過ぎ。
観過ぎなんだよね~。
もう、何度も言ったよね~?
観ちゃいけない。なんて言ってないのさ。
何事もバランスが大事だよ~って話でさ。



それとね~。
かーちゃんね~耳が疲れた(笑)
その何だかのオヌシがお楽しみの動画から絶え間なく聞こえてくる音と声…
もう御免被りたい。
かーちゃんのキャパは小さいのさ。
オヌシも良ぉ~く知ってるだろう?


そーだよ。そーなんだよ。
そろっそろ…静かにして頂きたくッ。


限界を遥かに越え、腹立ち紛れのドサクサ紛れにテレビをブチ消しコゾーさんに言い放った。



お知らせです。
今からテレビはメーター制になります。
テレビを観たければメダルをゲットしてテレビメーターにチャージしてください。
メタルをゲットするには、働いてください。
以上。



お知らせした手前、諸々の経緯と理由を説明しながら、手近にあった空き箱に5分、10分と時間を書いて丸く切り抜いただけの何ともお粗末な「メダル」を作ってお披露目した。
手作り感満載の見事にザツなメダルである。
それはそれはヒドイ代物だ(笑)

斯くしてテレビメーターは誕生した。

なんでこんな名前になったのか?
我ながら全くもって不明である(笑)


「働かざる者食うべからず」って知ってる?
と、ウンチクを垂れ流してみた。
そして「働かざる者遊ぶべからず」と追い討ちをかけた。



暫しの沈黙の後


「かーちゃん何か仕事ある?」



上手いこといったぜ!
その場凌ぎの思い付きにしちゃ~上出来だ。
と悦に入ったけど…あたしってば、何だか大人気ない…

そんな自分を慰めるべく考えてみた。
習ったばかりの時刻と時間…ケジメ…メリハリ…労働の対価…金銭の運用…


おぉ~。
こじつけだけど…何だか良いぞ~(笑)
生きてく上で重要な事ばかりじゃないか!


ほくそ笑んだのも束の間。


今度は…「かーちゃん。何か仕事ある?」攻撃が始まった…。




ヤレヤレでございます(笑)





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チョッと汚れ過ぎなもんで…
数ヵ月たった今でも中々の威力を発揮してくれている。
コゾーさんが余りにも単純だからか?
うん。単純だからだろう(笑)