弁当って不思議。
弁当ってのは、その人にとって、その時間の食事なワケで、どこかで食べたり、どこかでかで買ったりするのと同じもの。
だけと、何だろう?
家から持って行った弁当を開けるときの…
あの何とも言えないワクワクした感じ。
そんなこと思うのって…
あたしだけだろうか?(笑)
あたしは、毎日弁当を持って幼稚園に通っていた。
食も細く、中々の偏食で…食に対する興味も乏しかった。
食べ終わるのが遅くなって、皆と一緒の遊びの時間に間に合わないこともたまにあった。
だけど、そんなあたしでも、弁当の蓋を開けるときは、
「何が入ってるかなぁ~」とワクワクしたものだ(笑)
母は、あたしの好きなものを入れ、食べきれるようにしてくれていたと思う…。
いや、してくれていたのだ。
ありがとう。かーちゃん(涙)
そう言い切れるのは、今でも鮮明に覚えている、当時のあたし的大事件があったからだ。
ある日の弁当の時間。
いつものように、弁当の準備をした。
包みを開けると…
なんと!出てきたでのは鉄人28号の弁当箱ではないか!
あの頃鉄人28号のアニメを放送していたのだろうか?
見た記憶もない(笑)
ナゼに弟は鉄人28号の弁当箱を使っていたのか?
大いなるナゾとして、今でもこの弁当の思い出と共に、その弁当箱の絵柄を鮮明に思い出すことができる…(笑)
それくらい衝撃的だった。
母が、あたしと弟の弁当を入れ間違えたのだ…。
間違えたのは弁当箱だけ…
微かな期待を胸に、こっそり中を見てみると…
弟の好きなシャケ弁で、あたしの苦手なシャケ弁当だった…。
困ったあたしは「弁当を取り換えに行きたい」と先生に頼んでみた。
思いのほか、あさっさり先生は許可してくれ
「急いでね。階段気を付けてね」と言って送り出しくれた。
これ幸い!とばかりに、あたしは弁当片手に弟の教室めがけて一目散に駆け出した。
けれど、弟の教室に一歩入って愕然とした。
なんと弟のクラスは既に食べ始めていたのだ…。
あろうことか…弟は、家では「これ好きじゃない」と言って食べないものばかりが、詰めてあるあたしの弁当を…
平気な顔してモリモリ食べていた…。
その弟の姿にまたまた衝撃を受け固まるあたし…。
そして、あたしに気づいた弟は「どうしたの?」と…。
なにが「どうしたの?」だい!
この一大事に全くもって気づいていない弟…
困り果て立ち尽くすあたしに弟の担任が優しく声をかけてきて言った。
「お姉ちゃんなんだし、好き嫌いなく食べなきゃね。お母さんが一生懸命作ってくれたのよ。」
ガックリ肩を落とし、自分の教室に戻った。
箸は進まず…。
弟の教室で優しく言われた、あの言葉が頭を駆け巡り…
「食べなきゃ!」と、頑張るものの…
中々の口に入れられず…
やっとこ口に入れたものの…
今度は中々飲み込めず…
しまいにゃエヅキだし…
遂に担任ストップが掛かった。
そうなのだ…
あたしと弟の決定的な違いは…
「食べられない」あたしと「好まない」弟。
弟は「好まない」だけであって「食べられる」のだ。
だから、「好まないおかず」のあたしの弁当でも、平気な顔でモリモリ食べていたのだ。
アタマもココロもパンパンで…空腹なんて感じなかった…。
ただ、テンションだだ下がりのまま、その後の時間を過ごしたのを良く覚えている(笑)
あたしの「弁当の思い出」と言えば、ダントツでこのエピソードだ(笑)
今は立派な雑食に仕上がっているあたしだけれど、そんな幼少期だったもんで…
小学校での給食はハードルが高かった…
そのハードルがグッと下がったのは高学年になってからだろうか…?
そんなワケで、小学生時代の大半は弁当が恋しくて仕方なかった。
あの鉄人28号の弁当でさえ(笑)
時は随分と流れ、気付けば弁当を作る側になっている。
保育園児だったコゾーさん。
ありがたいことに給食だった。
そして、小学生になった今もありがたいことに給食だ。
だからあたしは、あまりコゾーさんの弁当を作っていない。
春夏冬休みの学童、遠足だののイベントくらいだ。
そんなだからだろうか?
コゾーさんは弁当にアツイ想いを持っている(笑)
食べるのは遅いけど、好き嫌いは殆どなく、良く食べ、食べることが好きなコゾーさんは、金曜の夜になると決まって言い出すのだ。
「かーちゃん。明日は、お弁当持ってお昼前から児童館に行くからね!弁当だからね!お弁当作ってね!」と。
「えー。また行くの!?弁当かぁ~めんどくさいなぁ~」
「ボクはお弁当持って行きたいんだよ!距離は保つから大丈夫!皆とお弁当を食べるのが楽しいんだよ。」
今までは、予定のない土曜日は弁当を持って児童館に遊びに行っていたコゾーさん。
コロナの影響で、再開後も暫くは、家で昼食を済ませてから利用していた。
最近ガマンの限界か?
どうにも、弁当を持って行きたいらしい(笑)
油断はできないけれど…まぁ良いか!
いつまた、休館になるかわからないからね。
キャラ弁でもインスタ映えする弁当でもない。
そんなものはあたしにゃ作れない(笑)
至ってフツーの弁当だ。
なんじゃそれ以下のジミ弁だ…。
それでも、コゾーさんは、嬉しそうにリュックに弁当を入れ、ニコニコと満面の笑みで出掛けていく。
そして、帰ってくるなり「今日も弁当おいしかったぁ~。おいしくって、ウマくって、あっという間に食っちゃったよ~。また作ってね!」
満足そうにニコッと笑いながらそうに言ってくれる。
米粒ひとつ残さず「好まない」トマトだって食べてくる(笑)
児童館の何がそんなに楽しいのか?
あたしには良くわからないけど…(笑)
弁当ひとつで、楽しく1日過ごせるなら何よりだ。
安心、安全、安上がり!!(笑)
また今度の土曜も行くのかな?(笑)
たまにしか作らない弁当。
小さくてチョッと作りにくい子供の弁当。
今日はなんの弁当にしようか?
コレが入ってたら喜ぶかな?
作りながらあの鉄人28号の弁当をいつも思う…。
コゾーさんよ。
実はかーちゃん、
弁当作るのめんどくさいって思ってなんかいないんだよ(笑)
チョッとからかってるだけなのさ(笑)
だって弁当って楽しいもんね!